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procedure:start [2020/10/15 15:24] atnmnprocedure:start [2020/10/15 16:02] (現在) – [ケースと中身の例え] atnmn
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 ====== デッサンの進めかた ====== ====== デッサンの進めかた ======
 +===== ピントが合うように =====
 受験デッサンの指導の中でよくあるメタファ的説明のひとつに「霧が晴れていくように描く」という表現がある。 受験デッサンの指導の中でよくあるメタファ的説明のひとつに「霧が晴れていくように描く」という表現がある。
  
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 これはこれで否定はしないのだけれど、私がよく使う表現として「ピントが合うように描く」といいよと説明している。 これはこれで否定はしないのだけれど、私がよく使う表現として「ピントが合うように描く」といいよと説明している。
  
-例えば真っ黒で広い面積のある場所は、霧が晴れる画法だとだんだん濃くなるけど +例えば真っ黒で広い面積のある場所は、霧が晴れる画法だとだんだん濃くなるけど、ピントが合う画法なら、最初から黒い明らかに黒いなら、その範囲は求められる黒さまで、瞬間で鉛筆を載せてしまうのがいい。
-ントが合う画法なら、最初から黒い +
-明らかに黒いなら、その範囲は求められる黒さまで、瞬間で鉛筆を載せてしまうのがいい +
-明るさのことを明度と言ったりするけど、画面の中のバランスとしての明度を、トーンと呼んだりもする +
-画面全体の中での、トーンの配置をまず作る目を細めた状態で、モチーフの持つ、トーンの配置と、画面のそれとが同じようになる。 +
-ピンポケした状態で、まず合わせる。 +
-ピンポケしてるなら位置には遊びが残るので、少し位なら動かしても手間がない +
-この状態からゆっくりゆっくりピントを合わせるように、書き込む筆の太さを小さくしてゆく +
-木炭紙大なら最初は手のひらくらいの大きさでぽんやりトーンの配置を捕まえて +
-だんだん握りこぶし大、五百円玉、十円玉、、というように絞り込んで、最後に鉛筆の先の太さまでキンキンに絞り込む +
-こうやってヒントを合わせる過程で、常に画面全体の構図を意識しながら位置を決めてゆく +
-狂いに気づいたときに、どっちを直すか迷っても、決める基準は全体の構図が優先。楽な方を選んではだめ。 +
-構図と形を直すとき、イメージとしては、全体を左右上下前後にガタガタ揺らしながら、ベストポジションにビシッとはめるようなイメージ +
-途中で狂いに気づいたときに、勇気を持って正しい方を選択できて、どんな狂いも必ず収束できる自信が付いてくると、序盤で色を載せてゆくことに躊躇しなくなる +
-もし間違っても、必ず直せる自信はスタートダッシュの武器になるよ +
-無駄な遠回りは一切しない。まっすぐ完成に向かって最短ルートを通る。そのためには、画面の上では、鉛筆の黒と消し具の白とで、無数の描画を重ねる。 +
-画面はそのぶん、汚れるけど +
-描かれる表現としての内容は純粋でクリアになれるよ。 +
-例えて言うなら、ガラスケースに入った人形があるとする。最も退屈なのは、人形が安物で、ガラスだけピカピカに磨かれた状態。画面が汚れてても絵がキレイなのは、キレイな人形が安物のケースに収められてる状態 +
-プロとして売り絵を描くなら、最高の人形を上質なケースに入れるべきだけど、受験で見られるのは中身だけ。 +
-ガラス磨きに使う時間は1秒も要らない。中身を輝かせることに100%の神経を使うべきだと思う +
-予備校ではこの部分を上手に教えてくれる先生が少なくて、ガラスばかり磨いちゃう系の浪人生が後をたたない +
-これは悲劇だと思う +
-一方で、ガラス放っとく画法だと、中身の完成度が足りなかったときに、絵の見どころがなくなるので評価がすごく落ちる。だけどこれは落胆しなくていい。さっきも書いたけど、受験で評価されるのは中身だけ。予備校での中途半端な評価を得るためだけにガラス磨きを始めてはいけない。 +
-この画法で行くと、最初はとても下手くそに見える。 +
-なので下手くそグループの埋もれて目立たない存在がある程度続く +
-そのうち中身が良くなり始めると、年配のセンスのいい先生が、ちょっと他の子とは違うぞって気づき出す。でもまだ見た目は下手くそ +
-みんなが気づく頃にはあっという間に上位集団の常連になるし、そうなると安定していいデッサンができるし、だいいち、誰も真似ができなくなる +
-この状態までたどり着けたら、もう合格はそれほど難しくない。 +
-ピンと合わせる画法と、ガラスほっとく画法は共通点も多いけど実は概念が違っている。 +
-ピント合わせは手先のテクニック。 +
-ガラス放っとく画法は表現の中身 +
-ちょっと画材の使い方の部分も含むけどね +
-ガラス放っとく画法については、頭の片隅においておいて、まずはピント合わせ画法で、構図とトーンを掴むべし。 +
-デッサンなんてジャグリングみたいなもんだから。 +
-練習しなきゃ出来ないし、練習も簡単ではない。 +
-ただ、ちゃんと練習すれば必ず出来るようになる +
-[写真] +
-うん +
-お疲れさん +
-今日はゆっくり休みな+
  
 +===== ピンポケした状態で、まず整える =====
 +画面の中の明度の配置やバランスを、トーンと呼ぶ。必要なエリアに必要な黒を載せ、画面全体の中でのトーンの配置をまず作ってしまう。目を細めた状態で、モチーフの持つ、トーンの配置と、画面のそれとが同じようになることを目指す。
 +
 +ピンポケしてるなら位置には遊びが残るので、少し位なら動かしても手間がない。この状態からゆっくりゆっくりピントを合わせるように、書き込む筆の太さを小さくしてゆく。木炭紙大なら最初は手のひらくらいの大きさでぽんやりトーンの配置を捕まえる。次に握りこぶし大。五百円玉。十円玉。指先。針先。というように画面全体のバランスを保ちながらピントをフォーカスしてゆく。
 +===== バランスを維持しながら、フォーカス =====
 +こうやってヒントを合わせる過程で、常に画面全体の構図を意識しながら位置を決めてゆく。形の狂いに気づいたときに、どっちを直すか迷う場合も、決める基準は全体の構図を合わせることを優先する。楽な方を選んではだめ。構図と形を直すとき、イメージとしては、全体を左右上下前後にガタガタ揺らしながら、ベストポジションにビシッとはめるようなイメージ。
 +
 +途中で狂いに気づいたときに、勇気を持ち正しい選択ができ、どんな狂いも必ず収束できることに自信が付いてくると、序盤で色を載せてゆくことに躊躇しなくなる。どのポイントからでも正解に引き戻せる自信は、加筆への自信となり、フルスロットルでスタートダッシュできる、強力な武器となる。
 +
 +この方法は、無駄な遠回りも、慎重すぎる足踏みも一切ない。<表現としての完成型>に向かって真っ直ぐな最短ルートを通る。そのためには、画面の上では、鉛筆の黒と消し具の白とで、重厚に描画を重ねる必要がある。
 +===== ケースと中身の例え =====
 +画面は鉛筆や消し具でこすりつけられつづけ、紙は傷み、毛羽立ち、ときには穴があいたり破れたりすることもある。画面に寄ってみるとボロボロになって痛ましい。しかし、離れて見ると、描かれた世界は純粋で明快でクリアなものになる。
 +
 +例えて言うなら、ガラスケースに入った人形があるとする。最も退屈なのは、陳腐な人形が不釣り合いにキラキラした高級ケースに収められた状態。見どころがなく、見るほどに残念な思いしか湧いてこない。一方で、ケースが多少まずくても、中に見える人形がすばらしければ、食い入って中を見たくなるに違いない。プロとして売り絵を描くなら、上質な人形をくもりひとつなく磨かれたケースに入れられる完璧な状態を極めることが必要になるかもしれない。中身がほぼ100点満点でここにあと1~2点追加してくれるのがケースであって、中身が80のまま、ケースの加点に労力を注ぐのは本末転倒である。まずは中身。ガラス磨きに費やす時間があるなら、これは表現の輝きのためにそそぐのが正しい。
procedure/start.1602743040.txt.gz · 最終更新: by atnmn